プロならではの目線で、使い方、手入れ方法などに関する詳しいご感想をいただきました。
ありがとうございます。
ご承諾いただいた上で、原文ままで掲載しております。
以前、レザーナイフを購入させていただいた浅原と申します。
2週間ほど使ってみての感想をお送りします。
まずは切れ味なのですが、とても良く切れます。
炭素鋼の包丁では裁断し続けるのが難しい硬いベンズ(靴の底用の革で3.5mm~5.5mm厚の革です。
ベンズよりも硬い革は無いかと思います。)でも、結構な枚数を裁断できました。
それでも切れ止むことはなく、充分作業出来る切れ味を維持していました。
正直驚きました。
また試しに荒く使っても刃先が傷んでしまうこともなく、刃先は綺麗なままです。
ありがたいことです。
勿論、靴の甲革(0.8mm~1.5mm程度の革です。)も滑らかに裁断出来ました。
研ぎは人造砥石から天然砥石で仕上げで研ぎました。
仰られていたように硬い鋼でした。
砥石との相性があるようで、相性がいいようですと結構あっさりと刃が付きました。
それでも他の鋼よりは研ぎにくいですが。
(念のために刃が付いているか顕微鏡で確認しました。)
続いて刃の角度なのですが、購入時に付けられている角度では鋭角に感じました。
裁断の時はこの角度でも大丈夫なのですが、革を漉く(裏刃を表に向けて、革を薄く削ぐ作業です)には、難しい角度です。もう少し角度をなだらかな方が漉く際にも具合が良いかと感じました。
また裏なのですが、綺麗なベタ裏で研ぎ易かったです。
最近は裏すきを入れている革包丁も売っているようですが、私の先生(70代の方)や親方もベタ裏です。
ノミのように使ったり、裏をガイドにして包丁を使う事が多々ありますので、ベタ裏の方が材料と密着、安定し、尚且つ材料の変形を促さない為ではないかなと私は考えています。
グリップに関してはとても持ちやすく疲れにくいです。
このようなグリップの包丁は初めてで、よくある楕円形のグリップしか使ったことがなかったのですが、手にフィットして具合がとても良いです。
裏面を表側にして使う裏包丁や突き包丁といって、ノミのように突いて使ったりもするのですが、持ちやすく感じられました。
ここまで重い包丁は初めてでしたが、この方が使い回しても安定するようです。
特に裁断の際には重みで革が自然と切れていくので便利でした。
以上が私なりの感想です。
少しでもお役に立てると嬉しいです。
最後になりますが、今までにない革包丁でずっと使い続けたい包丁です。
持ちやすさ刃持ちの良さがずば抜けています。
良い包丁ですので、私の仲間にも薦めてみます。
今回はこのような素晴らしいレザーナイフを作ってくださりありがとうございました。